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gypsy


監督:ジャスミン・デラル
2006 アメリカ 

■Review

スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの4カ国の5つのバンドが、北米の諸都市をまわり「ジプシー・キャラバン」ツアーを行った。その様子と、彼らのルーツとなる土地を巡って、インタビューと映像で綴ったドキュメンタリー。

今まで、ジプシーという言葉には漠然としたイメージしか抱いていませんでした。
その中には、放浪民族と言う言葉が持つ哀しさと少しの憧れと、一方では多分によろしくないイメージも含まれていたけれど、そんなイメージは吹き飛んでしまう。彼らの音楽と、音楽を通して描かれる人生の歓びや哀しみ触れて、胸が熱くなります。

ジプシーは元々北インド起源の民族なのですが、エジプト人であるという誤解からこの言葉が生まれたそう。また、今日では差別的な意味合いを含むということで、あえてジプシーとは言わず、彼らの自称である「ロマ」と呼ぶことも多いそうです。マケドニアの歌姫・エスマは確かに自分達を「ロマ」と呼んでいたけれど、スペイン出身のバンドは自らをGitano(ジプシー)と話していたので、住んでいる地域や環境によって、実際は色々なのかも。私はこれ以降、「ロマ」と書くことにします。

当たり前のことなんだけれど、同じロマでも、住んでいる地域や文化によって全然違うんですよね。話す言葉も服装も、奏でる音楽も、全然違う。…でも、激しさの中にも哀愁の漂う歌を聞いて、「ルーツは同じなんだよ」と言われたら、どこか納得できてしまう。「血の音楽」という表現は言いえて妙だなぁ。そして彼らに共通することとして、ロマであることに皆誇りを持っているということ。それは、歴史上虐げられ、長い間苦しんできた民族として、共通の痛みを抱えているからなのかも。

少数民族であるがゆえに、常に差別や迫害を受けてきたロマ。
ナチスのユダヤ人迫害は有名だけれど、50万人ものロマがナチスによって虐殺されたそうです。でも、その事実はあまり一般的に認知されていないですよね。

一見全く異なる、でも同じルーツを持つ、4カ国出身のバンドのツアー。
まぜこぜの彼らだけれど、ホテルのロビーで合奏したり、メンバーの誕生日を皆で祝う場面は微笑ましい。舞台での演奏は生のステージの迫力には適わないので、むしろ彼らのバックボーンとなる普段の生活を取り上げている部分の方が興味深かったかも。

一番印象に残っているシーンは、最長老であるニコラエのお葬式。
少々語弊があるかもしれないけれど、とても幸福なお葬式でした。自宅のベッドでひっそりと息を引き取った後、その死を嘆き、別れを悲しんでくれる家族に囲まれて、窓の外では友人達が音楽を演奏している。「彼は今天国にいるんだよ」と言われたらそのまま素直に信じてしまえるような、幸せな哀しみに包まれた様子に、自然と涙があふれてしまう。

バンドメンバーの息子の結婚式のシーンも素敵だったな~。
大家族を養うため、いつもお金のことで頭が痛い生活を送っているけれど、結婚式は婿の親が支払うという習慣。この時ばかりは彼も、たくさんのロマ達を披露宴に呼び寄せて、精一杯のおもてなしをします。決して豪華な披露宴ではなくて本当に手作りの宴だけれど、この式の様子がとっても暖かいんだよね。母親にヘアメイクをしてもらう若い花嫁も、初々しくてかわいかった。

監督のジャスミン・デラルはインド出身、英国育ちでアメリカ在住の女性。
ネットで来日時のインタビュー記事を見たけれど、知的でとても素敵な人でした。
次回作もドキュメンタリーを考えているそうで、次はいつ日本で彼女の作品が見られるかは分からないけれど、もし機会巡ってきたら、ぜひ見てみたいです。



同じロマといっても生活は全く異なるけど、
ロマという共通意識は彼らの奥深くに根付いていて、
それによって一つになっていけるなんてすごいよね。
民族意識にとどまらず、人間という共通意識をもっと
大切にできれば、争いがなくなるだろうになと思ったりする。
しかし、ヒターノという言葉を聞くと、ちょっとホッとする、というか
耳に心地良いのはなぜだろう?
職場の同僚も『ジプシー・キャラバン』を観に行ったそうだけど、
彼女はブラスバンドの人たちのライブに行ったことがあるって言ってたよ。
面白かったって。会場はクアトロだったそうだけど、
ちゃんとクアトロでもお金を集めてたんだって~。
本当にお金好きだ!
私もNyaggyと同じで、ニコラエのお葬式には幸福を感じたよ。
人間の生涯って、生きているって、尊いんだなって思いました。
そして、あの歳まで誰かのために生きられたのは素晴らしいと思った。
【2008/01/20 22:56】 URL | えりりん #-[ 編集]
えりりん、コメントありがと~。
民族意識にとどまらず、人間という共通意識…っていうのは、
本当にそうだなと思う。でも、なかなかそれができないから
戦争もなくならないんだよね…。同じ人間という意識よりも、
自分とは違うという差別意識を持つ方が簡単なんだろうか。

クアトロでライブ?それは楽しそう~。
フラメンコは何度か見た事あるけれど、マハラジャの舞台とか
楽しそうだな~と思った。やっぱり、生で見ないとね!

ニコラエのお葬式を見て、何て素敵な死に方なんだろうと
思ってしまった。
彼らは皆、家族が第一なんだよね。
有名になってもなお、家族と一緒に祖国で暮らしているのが
一番幸せというのが、見ているこちらも幸せな気持にさせて
くれるなぁ。
【2008/01/21 22:59】 URL | Nyaggy #-[ 編集]
Nyaggyさん、こんばんは。
ロマものに興味をもっていただき嬉しいです♪
世界的なミュージシャンなのに、気取りのない素朴さがとてもいいですよねー。
ステージはもちろんエキサイティングだったけど、アメリカの屋内のホールにいる彼らより、故郷の空の下でのんびりとしている様の方が、似合っているなーって思ってしまうのでした。
「ラッチョ・ドローム」はまさにずっと空の下で演奏が続くという面白いタイプの音楽映画なんですよー。
【2008/01/23 00:39】 URL | かえる #LkZag.iM[ 編集]
かえるさん、こんにちは♪
はい。俄然ジプシー・ミュージックに興味が出てきましたよ~。
成功したからといって、基本の生活スタイルは変わらない
彼らの素朴さは本当に素敵ですよね。
私も、故郷の空の下での彼らの方が魅力的に感じました。
周りの空気も景色も何もかも、彼らの素となるものに囲まれている
からこそ、生き生きと感じるんですかね?
『ラッチョ・ドローム』面白そうですよね!
レンタルかwowowで探してみます~。
【2008/01/23 13:18】 URL | Nyaggy #-[ 編集]














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魂の音楽に熱狂! ジプシー音楽をルーツ持つ4つの国の5つのバンドの北米ツアー“ジプシー・キャラバン”を追ったドキュメンタリー。この世界にある多種多様な素晴らしき音楽の中で、何よりも血が騒ぐもの、熱く、強く心揺さぶるもの、私にとってそれは、ジプシー・ミ... かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY【2008/01/22 19:39】
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