
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト: ダニエル・デイ=ルイス ポール・ダノ ディロン・フレイジャー キアラン・ハインズ ケヴィン・J・オコナー
2007 アメリカ
■Story
20世紀初頭のカリフォルニア。一攫千金を夢見るプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は幼い息子(ディロン・フレイジャー)を連れて各地で石油の採掘を行っていたが、ある時ポール(ポール・ダノ)という青年が彼の前に現われ、石油が眠る広大な土地の情報を得る。上手く土地を手に入れ、油田を掘り当てる事に成功したが…
■Review
ただひたすらに、圧倒される。
アメリカンドリームのダークサイドを描いた、古典的で正統派とも言える作品。
今までのPTアンダーソン作品とは少々毛色が異なるけれど、最初から最後までガッチリと心を掴まれてしまった。それこそあっという間に時が過ぎた、でも濃密な158分間。
冒頭から大音量の不協和音がうるさいくらいに鳴り響いて、否が応でも緊張感を高めてくれます。そして音楽が鳴り止んだ途端に、あの事故…!もう、そこから引き込まれっぱなし。しかも、その緊張感が最後までず〜っと続きます。思えば『マグノリア』の時も、これと似たような感覚を味わいながら見ていたんだった。
ダニエル・デイ=ルイス、凄すぎますね…もうね、何かに憑かれてるみたい。
プレインビューという野心に溢れた一人の男の圧倒的な存在感に、見ているこちらまで支配されているかのように錯覚してしまう。傍からみたら狂人とも言えるのに、その複雑な人間性にはどこか抗えない魅力があるから不思議。自分以外の人間を信用しないといいつつ、血のつながりに安らぎを求めていたり、彼という人間をはっきりと掴めないままだったけれど…。もっとも、ダニエルが演じているからこそ、そこまで魅力を感じるのかもしれません。
牧師イーライ役を熱演した、ポール・ダノも良かったです〜。
『キング 罪の王』でもクセのある信心深い若者の役を演じていたけれど、今回のイーライの方が曲者ですね。ポール・ダノの特徴的な目が何考えてるか分からない不気味さを放ってて、すごくハマってたと思います。ただ、イーライはプレインビューと比べると、小賢しい若者といった感じに見えてしまう。教会と信者の力を利用してプレインビューへのささやかな復讐を実現したまでは良かったけれど、プレインビューという男が他人に支配されたままで良しとする訳がないのに。
地下のボーリング場で繰り広げられる、ラストシーンが壮絶で素晴らしいです。
冒頭とは対照的に一切の音楽を省いた中で、プレインビューとイーライ二人だけの緊張感溢れるやりとりが展開されて…そして、プレインビューの最後の台詞!あの衝撃的なラストショットは、絶対に忘れられないと思う。救いなんてどこにもないのに、後味の悪さを全く感じなかったな。
やっぱり、PTアンダーソン大好きだ〜っ。
エンドロールの後、私はひたすら心の中で拍手喝采でした。
☆公式サイトは
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