
監督:クリスティン・ジェフズ
脚本:ミーガン・ホリー
キャスト:エイミー・アダムス エミリー・ブラント アラン・アーキン ジェイソン・スペヴァック スティーヴ・ザーン メアリー・リン・ライスカブ クリフトン・コリンズJr
2008 アメリカ
■Story
ローズ(エイミー・アダムズ)は、シングルマザーで仕事はハウスキーパー。仕事の続かない妹ノラ(エミリー・ブラント)や、訪問販売で一攫千金を狙う父親(アラン・アーキン)など、悩みは尽きない。そんな中、息子も小学校を辞めさせられることになってしまう。警官の恋人から、事件現場の清掃業のことを聞いたローズはお金になると、嫌がる妹・ノラを誘って見よう見真似で仕事を始めるが…
■Review
ちょっとビターだけど、見終わった後の気分は爽やか~。
私も、鉄橋の下で列車の音を聞いてみたい。
犯罪や事故があるということは、もちろんその現場を掃除する人だっているんだよね。よく考えたら当たり前のことなんだけど、そういうプロのお仕事が存在するってことが、今まであまり頭になかった私。警察関係の組織じゃなくって、民間の会社なのね。実際かなり壮絶なんだろうと想像するけれど、この作品の中ではそういった描写は大してないので、チキンな私でも大丈夫(臭いもないし)。それにしても、千切れた指は証拠品じゃないの?
『リトル・ミス・サンシャイン』でもそうだったけれど、ここでも勝ち組・負け組みという言葉が出てくる。高校時代はチアリーダーでアイドル的存在だったけれど、今はシングルマザーでハウスキーパーの仕事をしているローズが、優雅に暮らす同級生達に劣等感を覚えるっていうのは、ちょっぴり分かる気がする。現場清掃の事業が軌道に乗ってようやく自信を持った彼女が、皆を見返したいという気持ちもね。結果的に、ある事件が引き金となって、トントン拍子に成功したかに見えた仕事を失ってしまう(それどころかマイナスからのスタートになってしまう)訳だけれど、小さな希望もちゃあんと見せてくれていて、最後までその目線は暖かい。息子のささやかな誕生祝いの夜に、天国の母親に無線機で呼びかけるローズは、しっかり自分の足で立って前を向いていたと思う。
パンクな外見とは違って、繊細で心優しいノラのキャラクターも良かったな。甥っ子へのプレゼントがナイス。『プラダを着た悪魔』の時も魅力的だったけど、エミリー・ブラントはいいですね。意外に若い!のに驚いた。エイミー・アダムスは相変わらず上手いなー。
ローズの良き理解者である雑貨店主のウィンストンを演じたクリフトン・コリンズJrは、Chicanoチカーノ(メキシコ系アメリカ人の2世以降)なのね!どこかで見た顔だと思ったら『カポーティ』に出てたのか。悪役が似合いそうな風貌だけれど、繊細な雰囲気がなかなか良い感じ。24シリーズのクロエ(メアリー・リン・ライスカブ)の出演も嬉しい~(『リトル・ミス・サンシャイン』にもチョイ役で出てた)。
派手さはないけど、押し付けがましくない優しさとほろ苦さが心地良い作品。
☆公式サイトは
コチラ