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singleman

監督・脚本:トム・フォード
キャスト:コリン・ファース ジュリアン・ムーア マシュー・グード ニコラス・ホルト ジョン・コルタジャレナ
2009 アメリカ

■Story

長年連れ添ったパートーナーを失い、日に日に強くなる喪失感から、ジョージは自らの人生に幕を引こうと決意する。だが、最後の一日と決めたその日、いつもと何ら変わらないはずの世界は、彼の目には少しずつ違って見えて…


■Review

あぁもう、大好き!
全身の肌が粟立つような感覚に、ゾクゾクする。

靄がかかったような薄暗い中を泳いでるカットに、タイトルと"Fade to Black"の文字が現れ(後で知ったけど、トム・フォードの製作会社の名前だったのね)、雪原の中で倒れている男性に優しくキスをする。その流れだけで、もうどうしようもなく心を掴まれてしまった。

整然と物が並んだ引き出し(やたら引き出しを開ける描写が多かったような)。
正確に時を刻む、教室の壁掛け時計。
ぴかぴかに磨き上げられた床に映った、少女の靴。

シンプルでいて計算し尽くされたカットは、ただそれだけで美しい。たとえば、アルモドバルの生命力に満ちた原色の世界とは全く違う、ミニマムなセピア色の世界。ゆるやかに流れていくその世界で、カットの一つ一つ、ジョージの表情のひとつひとつから、彼が最後の一日の瞬間を深く味わっていることを、自然と感じ取れるの。

その描写はとことん抽象的で、リアリティのない別世界のように見えるのに(子犬に顔を寄せて「バタートーストの匂いがする」なんて呟いてみたり)、語られているテーマは時代も性別も問わない普遍的なもので、切なくて何度も泣けてしまった。愛する人を亡くし、すっかり色を失った世界に別れを告げようと決心したジョージが、長い一日の最後に、それでもこの世界に何かしらの意味を見つけられたのが嬉しい。なんて、幸せな結末。

コリン・ファース、圧巻ですね…!
ただキュートなだけじゃなく色気もあると思っていたけど、こんなにこんなにセクシーだったなんて。スーツよりも、薄汚れたツナギとか軍服とか、シェフ服に魅力を感じる私だけれど、寸分の狂いがないほど見事に仕立てられた白シャツに黒縁眼鏡の彼は、文句のつけようがないほど格好いい。しかも、インテリの大学教授役だなんて、完璧。

もちろん、他のキャスト達も素晴らしくて。ジュリアン・ムーアは、我儘でチャーミングなチャーリーにピッタリ。彼女って、タガが外れたような(?)ちょっと下品な笑い方がすごく似合う女優さんだと思う。悪い意味じゃなく、嫌味がない下品さが好き。

トム・フォードのデザインしたお洋服は買えないけれど、彼の美意識や世界観を映画を通して共有できるのは嬉しい。とても初監督作とは思えないほど期待を上回る出来で、すっかりお気に入り。

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